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院内感染を防ぐ銅の殺菌特性

身近な銅と言えば10円玉がありますが、その表面を調べると細菌がほとんどいません。実験として黄色ブドウ球菌を塗布した培地に10円玉を載せて培養すると、10円玉の下には菌が繁殖せず、強い殺菌作用があることが分かりました。そして2008年には米国環境保護庁(EPA)が銅の殺菌性表示を認可し、現在世界各国で医療に活用するという取り組みが進んでいます。

米国環境保護庁(EPA)が銅の殺菌性表示を認可

2008年3月、米国環境保護庁(EPA)は銅及び銅合金の公衆衛生における殺菌力を表示することを許可しました。これは金属材料としてはじめて認められたもので、銅や銅合金の表面では院内感染の原因になるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)等を含む病原菌に対して2時間以内に99.9%殺菌することが証明されました。

MRSAは抗生物質に耐性を持ち、人体にも深刻な影響をもたらす院内感染・環境感染を引き起こす病原体のひとつです。
 続いて2010年には、HVACにおいて抗菌銅合金表面材料は、悪臭の原因となり暖房・換気・空調系統を低下させる細菌・カビを抑制することも米国環境保護庁は認定しました。現在、米国環境保護庁には黄銅、青銅を含む450種類の銅合金が、細菌を死滅させる殺菌素材として登録されています。

Cu+ブランドの確立

銅合金の利用開発を進めるにあたって国際銅協会(ICA)と銅開発協会(CDA)はその製品が抗菌銅であることを世界共通で明確にするためにブランド化。医療、運輸、教育、高齢者ケアの分野を対象に、具体的な製品は多種多様の銅板・銅合金板はもちろんのこと、照明器具のスイッチ、ベッド棚、水栓、階段の手すり銅製の筆記用具にまで及んでいます。

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銅の殺菌特性を医療に活かすための国内での調査・研究

日本銅センターは、この銅の殺菌作用を医療に活用するという取り組みを北里大学及び北里大学付属病院と2005年から進めてきました。その中から銅の優れた殺菌作用を示す2つの例を紹介します。
 1つ目は、緑膿菌に対する銅の殺菌力が極めて優れているということです。特に最近注目されてるのは、水周りに多く発生する緑膿菌は、銅との接触で約10分後にすべて死滅することを実験で実証。この結果を受けて、皮膚科病棟内のある病室のシンクを銅の溶射品に置き替えて検証したところ、従来の陶器製シンクと比べ緑膿菌が大幅に減少することが分かりました。

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2つ目は、新生児集中治療室で看護師や医師が使用する抗菌ボールペンの例で、これには銅製グリップがついていて、銅の殺菌効果によって院内感染を予防するのに役立っています。右の写真は、一般のものと銅製グリップのものと菌を培養した時の差を示しています。写真から判別されるように、グリップ部分を銅にするだけで、院内感染の原因になるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌を含む黄色ブドウ球菌などの細菌を著しく減少させる効果があり、この他病室の床、ドアノブ、プッシュプレート、ベッド柵などを銅や黄銅に替えて試験した結果、いずれも細菌の減少傾向が認められ,病院環境改善に役立つことが実証されました。

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院内感染予防を目的としたクリニックの改修

アメリカをはじめ、ヨーロッパ各国で医療機器メーカーの抗菌銅製品を導入することによって、病室内の病原菌レベルの低下から感染リスクの低下に繋がっています。ドアハンドル、手すり、トイレの水栓ボタンや便座等、環境表面改修による院内感染リスクの削減効果が報告されています。
 日本では、落合クリニック(千葉県浦安市)が院内感染予防を目的として、リニューアルの際、患者の手が触れるドアノブ、ドアハンドル、待合室の壁面、受付台などの環境表面に黄銅(Brass)を全面的に採用し、MRSA、インフルエンザウイルス等による感染抑制を図った改修例もあります。

Copper Friendsのビジョン

院内感染の予防策は、清掃・手洗い消毒などの普及啓発が第一とされています。感染経路別に、接触・飛沫・空気の感染予防策が詳細にマニュアル化されていますが、疾患別対応策を発生前に適切に対応することは必ずしも容易ではないようです。欧米各国は、抗菌銅を活用し、院内感染予防対策を強力に進めていますし、日本の種々の研究でも抗菌銅表面が感染予防に有効であるとされています。GPOでは設立以来、各国の事例を調査研究し、感染源をもとから断つ対策の柱として銅が重要な役割を果たすべきだと考え、広報活動を続けてきました。
 医療関連感染の抑制対策の投資効果についてYHEC(York Health Economics Consortium)は「1年以内に採算が取れる20床の病棟への導入費用は、感染発生1.5回分で生じる費用に同等」という結論を出しています。